桜はまだかいな

48/48
前へ
/578ページ
次へ
「おまわりさん、 渋いお茶でも ご馳走してよ。 暇だし なんか今は飲みたい気分。」 人差し指と親指で 輪っかを作り お猪口を構える仕草で 誘う私。 「おっ いける口だなぁ。 わかってきたじゃん。 なんなら後で 吉野と八重さんも呼ぶか!」 黄金色に 染まりだした並木道は 太陽の光を浴びて 深紅に輝く桜で賑わう。 血のように赤く 美しい花をつけた木々は まさに桜花爛漫で 道行く人々を 楽しませるのであろう。 桃色のマフラーを 揺らしながら。
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

551人が本棚に入れています
本棚に追加