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青空の下……
少年は空を見上げていた。
少年は黒い帽子を被り、黒いローブを纏っており、周りには切り裂かれ焼きつくされた大量の魔獣達の死体が横たわっていた。
ほとんどの魔獣が元の形をしてはいない。
そして少年の目の前には魔獣達のリーダーであろう魔人と巨大な竜が立っていた。
「バカな……奴は一人……我らは一万を超える大軍勢なのだぞ……それを……たった一人で……」
その魔人は目の前で起きた事が信じられないと言った様子で目を見開いて力無く呟いた。
「グゥゥ……」
共に立つ竜も、目の前の敵にただ唸る事しか出来ない。
この竜は邪竜と呼ばれる竜族の中でも上位の位に立つ竜ある。
魔人も邪竜を従える高位な魔人であり歴戦の猛者であった。
「貴様!! 何者だ!!」
魔人は少年に怒号をはった。
「……答える義理は…ない…」
少年は空を見上げながら答える。
「なっ、ふざけるなー!!」
そう言うと魔人は自分の魔武器である魔剣を取り出して少年に斬りかかった。
「消えろ…」
《上級闇魔法 ブラックボックス 》
少年が魔力を高め、右手を魔人に向けて突き出すと、魔人の足下から黒い箱が現れて魔人をその中に閉じ込めた。
「死ね…」
少年は突き出した右手を下ろしながら呟く。
「はっ、その程度の魔法で……」
しかし、敵の魔法に掛かったというのに、魔人の余裕は崩れず、真っ暗な箱の中で魔人は剣を振り上げた。
「何が出来る!!」
ガキン!!
だが、魔人の剣は黒い箱を破壊する事はなく、ましてや傷一つ着ける事なく弾かれ、その魔人の余裕は意図も簡単に粉砕された。
「なっ!! そんなバカな……壊れない!!」
魔人は中で魔法や剣で攻撃するが箱を破壊する事ができない。
「堕ちろ…冥界の果てまで…」
少年はそう言うと黒い箱に背を向ける。
「やっやめ……ギャァァァァー」
少年が背を向けたのと同時に、骨と肉の潰れる音を出しながら箱は小さくなり消滅した。
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