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魔法がごく普通に存在する世界
【アルカディア】
人々は魔法の力で己の文明を築き、国を造り、暮らしていた。
「着いた…」
少年が転移したのはアルカディアが誇る王国魔法軍隊【エデン】の本部
【エデン】はアルカディア最強の軍隊であり、世界中から集めれられた優秀な使い手達で構成されている。
【エデン】には国王直々に与えれる二つ名を持つ者が八人いる。
組織構成は一番隊~五番隊までの部隊があり、各隊には二つ名を持つ隊長が一名ずついる。
そして……
五人の隊長の上にはアルカディア最強と言われる三人の使い手がいる。
最強の称号を与えられし彼らを称え、人々は彼らをこう呼んだ。
【三元帥】と……
少年はローブのフードを深く被り顔を見えないようにして中に入り受付の女性に
「【エデン】二番隊副隊長、クロ・ノワール… 任務完了」
「はい、了解しました!! あっ後、大元帥がお呼びです」
【大元帥】とは【エデン】の総長である。
この大元帥を筆頭に、国から出される指令や各地で起こる紛争・反乱の鎮圧、魔獣・魔人の討伐をこなしている。
「わかった…」
クロは任務完了の報告を終えると階段を使い、大元帥がいる【風神の間】に向かった。
大元帥のいる【風神の間】は元帥と特別に許可を得た者だけが入室する事を許されている。
その中で一人の女性が書類の山と戦っていた。
「あーん、もう!!終わらない!!」
腰まで伸ばした美しい金色の髪をしたその女性は目に涙を貯めながら書類にペンを走らせていた。
この女性はシリア、王国魔法軍隊【エデン】の大元帥、シリア・セリウスである。
「全く!! 日頃からサボってなければこんなに苦労する事はなかったのですよ」
「言われなくてもわかってるわよクラウド……」
クラウドと呼ばれる横で凛々しく立ち、女性を叱っている男性は肩の下まで伸ばした髪を紐で纏めて眼鏡をかけ、さながら執事のような格好をしていた。
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