始まりの刻…

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コンコン!! 「失礼します…」 クロがノックをして【風神の間】に入ってきた。 「おや? クロ君、もう任務が終わったのですか?」 部屋の真ん中にあるソファーに腰かけたクロの前の机にクラウドが紅茶を出しながら聞いた。 「はい… 邪竜を操る魔人の軍勢一万の討伐、完了しました…」 「そう!! お疲れ様!!」 シリアは書類の山をどかしながら優しくクロをねぎらった。 「これで…合格ね!!」 「そうで御座いますね」 「合格…って?…」 喜んでいるシリア達を疑問に思うクロ。 「あ!! ちょっと待っててね!! もうすぐ来ると……」 ガチャ シリアの言う通り、風神の間の扉が開き、白髪の青い目の少年が入ってきた。 「失礼します【エデン】三元帥 ノア、任務を終え帰還しました」 その少年は扉の前に立ってシリアに向け報告を終えると、クロと目が合う。 「…ノア元帥…」 「おや、お久しぶりですね クロ……魔人討伐の任務は無事成功しましたか?」 「はい…」 クロはいつもより元気な声で返事を返した。 ノアと言う名のこの少年は【エデン】三元帥が一人、ランク・星十のノア・セリウスである。 このように使い手には星の数で表すランクが存在し、星の数は一~十まであり、当然、星の数が多ければ多いほど優秀な使い手の証となる。 ノアはクロの命の恩人である。 ノアは二年前、任務中に死にかけていたクロと出会い、保護し、シリアに【エデン】入隊を願い出てくれた。 おかげクロは今、たくさんの仲間と一緒にいられる。 だからクロは助けてくれたノアや自分に居場所をくれたシリアに感謝し、今は二人のために戦っている。
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