始まりの刻…

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「それでは、クロ・ノワール」 「はい」 クロはシリアと向かい合い、返事を返す。 「あなたはこれより、このローブを身に纏い、その重荷と期待を背負っていく覚悟はありますか?」 シリアは優しく、そしてしっかりとクロの目を見て聞いた。 クロは心を落ち着けて、はっきりと答えた。 「はい…俺は全ての種族が差別に苦しむ事なく…平和に暮らす世界を実現させるため…そのローブを身に纏い…戦います…」 「あなたの覚悟にアルカディアの神々の加護があらん事を……」 そう言い、シリア達は目を瞑り願った。 そして…… 「では、国王の言葉を代弁します……この時を持ち【エデン】二番隊副隊長クロ・ノワールを元帥に任命し、【黒炎の契約者】の二つ名を与えます」 そう告げられた時、不思議な事にクロは何か懐かしい感じがした。 シリアはクラウドからローブを受け取りクロに手渡した。 「ありがとうございます」 クロは受け取ったローブを身に纏った。漆黒のローブには金色の線が二本はいっている。 「似合ってるわよ!!」 「クロ、よく頑張りましたね」 「クロ君!!、おめでとう」 ローブを身に纏ったクロを見て、シリア達は心からの祝福の言葉を送る。 「ありがとうございます」 クロは嬉しそうにお礼を言った。 ここに三元帥が一人、【黒炎の契約者】が誕生したのである。 そしてこれが…… 後に後世にまで語り継がれる伝説の始まりでもあった。
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