72911人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでは、クロ・ノワール」
「はい」
クロはシリアと向かい合い、返事を返す。
「あなたはこれより、このローブを身に纏い、その重荷と期待を背負っていく覚悟はありますか?」
シリアは優しく、そしてしっかりとクロの目を見て聞いた。
クロは心を落ち着けて、はっきりと答えた。
「はい…俺は全ての種族が差別に苦しむ事なく…平和に暮らす世界を実現させるため…そのローブを身に纏い…戦います…」
「あなたの覚悟にアルカディアの神々の加護があらん事を……」
そう言い、シリア達は目を瞑り願った。
そして……
「では、国王の言葉を代弁します……この時を持ち【エデン】二番隊副隊長クロ・ノワールを元帥に任命し、【黒炎の契約者】の二つ名を与えます」
そう告げられた時、不思議な事にクロは何か懐かしい感じがした。
シリアはクラウドからローブを受け取りクロに手渡した。
「ありがとうございます」
クロは受け取ったローブを身に纏った。漆黒のローブには金色の線が二本はいっている。
「似合ってるわよ!!」
「クロ、よく頑張りましたね」
「クロ君!!、おめでとう」
ローブを身に纏ったクロを見て、シリア達は心からの祝福の言葉を送る。
「ありがとうございます」
クロは嬉しそうにお礼を言った。
ここに三元帥が一人、【黒炎の契約者】が誕生したのである。
そしてこれが……
後に後世にまで語り継がれる伝説の始まりでもあった。
最初のコメントを投稿しよう!