慟哭

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場面を一度【エデン】本陣に戻す。 「先鋒隊第7分隊より救援要請!!」 「第12分隊壊滅!!」 「砲撃隊より、次弾装填完了との報告!!」 本陣では念話による情報伝達部隊からの報告が次々と上がってきていた。 「第7分隊には補給部隊を向かわせてください」 「第32分隊を第12分隊の代わりとして向かわせてください」 「あと少しで本隊が先鋒隊に合流します。砲撃隊にはその後に一斉掃射!合図があるまで待機!!」 その報告を全て一括に受けて指示を出していたのが【蒼炎の覇者】ノア・セリウスであった。 「西方ハウゼンより、入電!! 敵強大でありますが【灼熱の豪拳】を筆頭に敵陣を切り崩しているとのこと」 クロの古巣である二番隊は五番隊に匹敵する近接戦闘特化型の部隊であり、戦場では隊長のカガリを先頭に一つの塊となり敵陣を駆け巡る。  「東方リスティアからも入電有り!! 戦場全体を【霧雨の暗殺者】による濃霧が覆っており、三番隊の陽動・奇襲により戦況を有利に進めているとのこと!!」 ジャック率いる三番隊は二番隊とは逆で、遠距離戦闘に特化しているといえる。 学園で披露した通り、霧のなかはジャックのテリトリーである。 日頃から濃霧のなかでの戦闘訓練を積んでいる兵士達も合わせればその力は絶大であった。 (よし、やはり六大魔率いる連合軍は手強いですが、現状では上手く立ち回れているようですね。後は我々二つ名持ちが六大魔を各個撃破していけばこの戦争は終わります) ノアは落ち着いていた。 自軍優勢の報告を受けるも、それに気を緩めることをせずに更に次の作戦を練り、思考を止めることをしなかった。 「報告!! 第25分隊長より敵部隊の将兵を討ち取ったとのこと!!」 この戦争はアルカディアの未来が懸かっている。 「報告!! 補給班より援軍要請! 補給線に敵軍が出現!!」 絶対に負けるわけにはいかない。 「報告!! 最右翼より敵の増援を確認とのこと!!」 自分の持つ全ての力を用いて必ず勝利へと導く。 「報告!! 緊急入電!!」 しかしこれより事態は急変する。 最悪の方向に…… 「北方ヴァグラードからの入電が途絶えました!!」 「南方ザンバリアよりも入電!! 四番隊が壊滅したとのこと!!」
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