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逃げられない。
その思いは少年達を苦しめる。
狂ったのではなく、
狂ってしまったのだ。
その想いが戒める、その体を、その心を。
気付く前に伝染した狂気は、深く深く侵蝕してしまう。
それは、愛していたから
愛しているから。
愛の形がたとえ歪んでいても
それが本当に愛なのか分からなくても
相手を深く想う心は変わらない。
寂しさと虚しさ、哀しみを知っている少年達は想いに忠実に、狂っている事に気づかずに、笑う。
痛くても、心が悲鳴をあげても
もう、感じないのだ。
何もその心には響かないのだ。
壊れた心を持ったまま
少年達は狂う。
愛してほしかった
一生離さない
もう逃げないよ
渡しはしない
それぞれの想いが
溢れてしまっただけ
それだけだ。
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