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こう、意気揚々と部屋を出ていこうとした私は…タッタッタッて足音に気付いた。…足音からすると走って来てる。
…まさか、さっきの私の叫び声を聞いて走って来た?…待って…さっき私が叫んでたのは服の事。普通はわざわざ走って来るほどの事じゃないわよね。
…私、いきなり部屋に出てきた…まぁ、正確には落ちて来たんだけど…とにかく、いきなり家に現れた人物とか…普通に考えたら、不審者…よね?
……ヤ、ヤバい!と、とにかく隠れなくっちゃ!
私は咄嗟に、近くにあったクローゼットに隠れた。
…それもこれも、きっとあのウサギ男のせいよ!次に会ったら色々文句言ってやる…!←
タッタッタッ。
タッタッタッ。
そうこう思ってる間に、足音はどんどん近付いてくる。多分、音的に言うと…もうかなり近くまで来てると思う。
タッタッタ。
――ガチャッ!
…足音が、止まった…。
ドアを、開く音がする…。
そして、その後にそこまで大きくはないのだが、バタンッとドアを閉める音がした。でも、見付かるか見付からないかと緊張している私の頭にその音は十分大きく響く。
その音から少し経つとコツコツと歩く音がし、中に入って来たのだと脳が判断すれば、生唾を飲み込む。クローゼットの扉の微かな隙間から外を見ようと片目を瞑り、目を細めた。まだ、見える範囲には居ないみたい。
コツコツ、コツコツ。足音は止まない。遠ざかっている気配もまったくない。
固まったまま暫くそのままでいると…やがて、隙間からその歩いて来た者の姿が見えた…。
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