~忘れられた国へ~

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その人物に、私はビックリ☆ …とか陽気に言ってる場合じゃないんだけど…ね。 って言うか…ビックリもビックリ、ちゃんと見えないのよ! んで…ちゃんと見ようと色々と頑張って動いてみた。 ドサッ! 「うぎゃっ!」 …結果☆ 効果音と私の叫びでわかるかもしれないけど…転けた。もう、見事に前のめりになってクローゼットの扉が開いて…頭から落ちていったわ。何とか反射的に手を着いたけど鼻を打った…。…痛い…。 鼻が…痛い…。私は鼻を擦りながら顔をゆっくり上げ…ようとした。…ら、前方に足が見えた。 …あ…!そう言えば、人が居たのよね!って思い出したら一気にバッと顔を上げた。 …あっ…。勢いつけすぎて顔が上を向きすぎた…。 ……けど…何か…頭には見覚えがある…って言うかついさっき見た…白いウサギの耳…! ……ウサギ男っ!? 私はすぐさま視線を少し下ろした。…うん。見た目って言うか…服装とかも…何か、上のあの裾の長いジャケットは脱いでるみたいなんだけど…正しくさっきのウサギ男だわ! 何か、物凄く驚いたような顔してるけど…。…あ!私、不法侵入してるし当たり前か。 とか考えてたら…まだ呆然としたような顔で私を見ながらウサギ男は口を開いた。 「………アリ、ス…?」 ……はい…?アリス…?どちら様かしら…。私がアリスの服着てるし…こう、まさかの勘違い…? 私はポカーン状態。リアクションに困る。私、アリスじゃないし…でも、何だか否定…出来ない。良くわかんないけど。 「アリス…どうして君が…?君はもう、ここへは来てはいけなかったのに…」 …?ウサギ男さんは何を言ってるんだろう?? “もう”って…?私、一度もこんな所…来たことな………。…来たこと、ない…よね?
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