87人が本棚に入れています
本棚に追加
とりあえず、ウサギ男が消えたってわかったその後はジタバタするとか叫ぶとか色々してみた…けどまったく何も変化なし。
流石に、もう仕方ないかなって半ば諦めモードに入って素直に落下しようかなって思い出してきた。
…でも、ちょっと待って?冷静に考えて…ジタバタしたり…色々したのにまだ地面には着かない。見上げてみれば上の穴もかなり小さくなっている。
……これ、もしかして…地面に着いたら…スプラッタ…?
…じ、自分で考えてなんなんだけど…凄くエグいわ。考えない方が良かったかも…。自分でも今、顔が青ざめてるだろうなってわかるほど血の気が顔から引いてる…。
…と、とりあえずどうしよう!どうしようもないんだけど…どうしよう!!
「っ!い、いや~!スプラッタはいや~!せめて綺麗に死にたかっ…じゃなかった!死にたくな~い!い~や~!」
と、とりあえず叫んでみた!頭を抱えて思いっっきり叫んでみた。
………なんっっにも起きない!いや……あの…すっごくシーンってしてるの!
…もう、良いわ。誰も居ないみたいだし…今はどうにか出来そうな物なんて何も持ってないし…私の運命はスプラッタなのね。さっきの言い間違い…あながち間違いでもなかったわ…。…せめて、綺麗に死にたかったな…。スプラッタ…。絶対グロいわよね…ハァ…。
…あら?何だか地面らしきものが見えて来たわね。そろそろこの世ともお別れってわけね。
そう思ったのに、条件反射ってヤツなのかな?それとも一応の悪あがきなのかしら…これから来るであろう衝撃に備えて目を瞑って体を縮めていた。
…………?何か、いつまで経っても衝撃が来ない…どころかトサッという音と共に地面の感覚が…。
…え?何?効果音がおかしいんじゃないかって?……悪かったわね!そうよ!“トサッ”じゃなくて“ドサッ”だったわよ!何よ!良いじゃない!ちょっとした乙女心じゃない!
と、とにかく!衝撃もないし地面の感覚もしたから…私は恐る恐る目を開いてみた――。
最初のコメントを投稿しよう!