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岩場に波が打ち付けて、細かい水滴が風に舞うのが見える…
いつも一人悩む時はここに来ていた…
誰も居ないのに、包み込まれているように優しい場所…
死んだらここに骨を撒いて欲しいって誰かに言った事もあった気がする…
「もう少しだけ…このままで居させてくれ…
美砂…俺は結局こんな下らない男だったよ…」
迷いは消えていた…
やけに冷静に自分を見ていた…
この時すでに魂は身体から離れていたのかもしれない…
痛みは消え、とにかくここしばらく感じる事が許されなかった穏やかな時間を過ごしていた…
永遠に続くような…とても穏やかな時間が…
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