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green side.
なぁ、亮ちゃん
好きなだけじゃ…
アカンのかな?
緑「亮ちゃん」
パソコンを弄り
画面から顔を反らすことなく
返事をする彼
黄「何」
いつもと同じパターン
緑「俺な、黄「やっぱえーわ」」
でも今日は
違う道へ歩みたくて
話を変えようとしたら
スパッと遮られた
緑「…何がええねん」
余りの反応の早さに
戸惑いながらも
少し苛つきを覚えた
黄「雰囲気的に」
それでも彼は
顔色一つ変えず
緑「は?」
俺の話を無理矢理
黄「聞きたない」
伏せようとしたから
わざと相手の苛つくポイントに
直接触れる
緑「そやって逃げんの?」
声を低くして
狭い部屋に響くように
黄「何から逃げんねん」
マウスを動かしていた手が
自然に止まっていた
緑「俺から」
それの意味は
意識はもうパソコンにはなく
俺の方に在ることを
表している
黄「…」
長い睫毛を伏せ
唇を堅く閉ざすから
緑「黙んの止めてや」
沈黙を破ると
黄「うっさい」
悪態を吐き不機嫌な顔をして
隣に置かれたコーヒーに
そっと手を伸ばす
緑「俺のことキライ?」
その動作が俺の目には
余裕、だとゆう風に映り
自分ばかりが必死なのでは?
相手は自分の事を必要と
してないのではないか?と
不安な気持ちが押し寄せ
思わず口から漏れた言葉一つ
黄「そやない」
俺を見る事なく
静かにコーヒーを置き
口を開いたが
緑「…んぢゃ」
やはり気持ちが知りたくて
焦る俺は答えが欲しい
黄「俺は、このままがええねん。」
それでも彼は
中途半端な答えしか
俺に与えてくれないから
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