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四年生に上がって、西条遥という女の子と出会ってからは一変した。
はじめはもちろん、クラスが一緒の男の子もいたし、それが当然であるかのようにからかわれたけど、そんな私を遥さんは助けてくれた。
怖い顔で相手を睨みつけて、難しい言葉で罵倒する。
いつの間にか、逆に男の子たちが泣いて逃げるという光景を目の当たりにしたほどだった。
そんな様子とは対照的に、私にはすごく優しくて、いつでも頼っていいからね、と言われて、やっぱり泣いてしまうのだ。
お姉さんがいたらこんな感じなのかなって、すごく幸せな気持ちになったのを今でも覚えている。
それからずっと、遥さんと一緒にいた私はからかわれる事なく学年を上がる事ができた。
身長のコンプレックスは消えないけど、あまり気にせずいられたのは間違いなく遥さんのおかげ。
何事もなく、平穏な日々が続いていくものだと私は思っていた。
……変化が生じ始めたのは、五年生の夏くらいからだったと思う。
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