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何も解らん神が憑りてまいりして、 知った顔をいたしていろいろて口走りて、 肝心の仕組みも解らずに、 世の立て替えの邪魔をいたすから、 ちょっとの油断もできんから、 不調法のないように気をつけてやるのを、 「野蛮神が何をぬかす」 ぐらいによりとりてくれんから、 まことに神も出口直も苦労をいたすぞよ。 神憑りで何もかも 世界中のことが解るように思うていると、 全然了見が違うぞよ。 大国常立尊が今表になりたところで、 神界の役に立てる霊魂は一つもないが、 よくもこれだけ曇りたものであるぞよ。 この方が世界中のことをいたさなならんから、 何彼(=いろいろ)のことが 一度になりて忙(せわ)しなると申すことが、 毎度筆先で知らしてあろうがな。
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