一章

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「騎士王殿~、お待ちください~。騎士王殿~」  あわあわと走りながら慌てるといったコミカルな動きをしながら国王からの伝令役の兵士が騎士王アイザック・クナイト・フォルテシアを呼び止めた。 「どうした伝令役?そんなに急いで国王からの急用か?」  余程急いでいたのか息をハァハァ切らしている伝令役の背中を擦りながら尋ねるアイザック。 「はい、実は、『時空穴』が、ハァ騎士王殿の、管理地で、開いたフゥとの、事で、至急悪魔族が来ていないか、確かめて欲しいそうです」  最後の方でやっと落ち着いて話せる様になった伝令役から用件を聞くと真剣な顔つきになった。 「分かった。すぐに手配しよう。だいたいどこらへんだ?」 「あっ、はいそれは…」  少し早歩きになりながらアイザックは出立の準備を進めた。      ところ変わって聖王軍隊舎・聖王室では 「では次回の戦霊魔との契約は15名でよろしいですね?」 「はい、上級騎士になった者が今回はおりませんでしたから貴族聖魔との契約はございません」 「そうですか、分かりましたありがとう」  指令役の上級騎士の報告を受ける聖騎士王ホロス・ウィード・エンゲールがいた。  その後もしばらく報告は続き指令役が部屋から退室したのはそれから30分も後だった。 「ふぅ…毎度の事ながら大変ですね」  そんな独り言を自分一人だけの部屋で言うと 「仕方ないでしょう。貴方は聖騎士王であり、部下を守り、統括しなければならないのですから。…私めが癒して差し上げましょうか?」  突如としてホロスの椅子の背後に純白の羽根を持った金長髪の騎士が現れた。 「すみませんがお願いします。貴方のは心地がとても良いですからね」  どうもホロスの契約相手の様だ。  しかし、中性的な顔をした美形同士で二人とも男だが、寄り添っているとどうにもソッチの気がある様に見えてしまう。 「ああ~気持ちいい~さすがですね」  ホロスが褒めると 「いえいえお役にたてたのなら結構でございます」  謙遜しながらも魔法での癒しは続く。
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