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毎日校舎裏に呼び出し。目の前にはまた男子。
私は彼がお決まりの言葉を発するのを待った。
軽くもじもじして、見ていていらつく。未だに発しないから、こちらから言わせてもらうことにした。
「アンタ、私に告白するつもりだったの?」
「えっ。はい、そうです」
「だったらさっさと言いなさいよ!女々しいったらありゃしない」
男子は私の迫力に驚いた。だが、私が言った通り、彼はようやく発した。
「じゃあ、付き合って下さい」
「うん、ごめんムリ」
男子はほけた顔をしながらこちらを見る。
「貴方、私の好みじゃないから」
じゃあねと、笑顔だけ振り撒けて去って行った。
こんな毎日が私――椎名翠の日々。自分で自分の顔が良いなんて、ナルシストって言われるかもだけど、これは私の高校の生徒自身、認めていること。高校入って二年。告白が絶えることなどなかった。
そして私は未だに、告白をして来た人達と付き合ったことなどない。中学生の時一度付き合ったことがあるだけ。
その時、私は気付いた。相手は私の顔だけしか興味がないことに。
さっきのだって良い例。初めて話した奴とすぐ付き合うか。誰だか知らない奴と付き合って何するの?
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