第1章ぼくたちの砦

2/15
前へ
/24ページ
次へ
「お~い、内人!ゆうべの『ロック・ステーション』見たか?」 教室に入るとクラスメイトの達夫が話しかけてくる。 今、うちのクラスでは、『サンバイズ』って名前のビジュアル系ロックバンドが流行だ。 「う………ん、まあな」 適当に、言葉を濁す。 なんせ、夕べは、創也を追いかけてて、帰るのが遅くなった。 それに、最近年のせいか体が疲れてる。だからビデオ録画しておいたけど、見る元気が昨日は無かった。 なんか達夫がやってるけど頭に入らない。 そもそも僕は、あんまり音楽に興味はない。 それに、ロックは喧しくて、今一つ好きになれない。(本当は、映画音楽が好きなんだけど、そんな趣味を持った奴は、周りにいないし…。) 「内人!!創也探しに行こう」 「空!!ゴメン達夫またあとで」 達夫に一言言ってぼくらは、図書室に向った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加