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図書室の扉を開けた。中にいるのは創也だけだ。
朝日の入ってくる窓際に椅子をおき、足を組んで本を読んでいた。
長い前髪が、俯いた彼の横顔を、斜めに隠している。
ハッキリ言って、かなり美形だと思う。ワインレッドのフレームの眼鏡が彼に「知性派」の印象を与えている。
男は顔じゃないとは思うものの、やっぱり羨ましい。
僕のルックス?上の文から察して欲しい。
空は、中性的な顔立ちの微美形。
「おはよう」
僕は、声をかけた。
驚いて本から顔をあげる創也
「………おはよう」
どうして僕らがここにいるのかと、不思議そうなかおで、こちらを見ている。
………会話が続かない。
創也は本に目を戻した。
「えーっと何呼んでるの?」
良く考えてみたらクラスメイトてはいえ、創也とはまともに話したこと無かった。
「ああ、これ?安倍晴明の研究書だよ」
「それ…面白いの?」
「少なくとも暇つぶしにはなるね」
……微妙に会話が続かない。
別に、不機嫌な訳じゃないだろう。
でも、朝の図書室内に、気まずい空気が流れる。
「ねぇ~?創也君。
創也君って夜な散歩が趣味な人?」
そうだった。空は、空気読まないんだった。
「君達…ゆうべ見てたの?」
「うん。……あれ?見ちゃ、不味かったのかな?」
なんか地雷を踏んだ気がする。
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