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空気を変えよう。
「僕は、塾があるんだ、八時から十時まで。創也は勉強できるから、塾なんか関係ないだろうけど、僕なんかは大変さ。母さんに言われて毎日のように塾へ行ってるんだ。
空は、よくハンバーガーショップで暴飲に耽ってるんだ」
僕は、あまり自慢にならない事を、ペラペラ喋る。
「でさ、あのあと、何処へ行ったの?通りを曲がったら、消えちゃっただろ?」
「そこまで見てたのか…」
創也が、ため息と一緒に、ポケットから鍵を取り出す。
「今日は午前中で授業が終わるだろ。僕は午後から、この鍵がかかってる場所にいる。気が向いたら、おいで」
創也に渡された鍵は、銀色のありふれた鍵だ。差し込む部分に小さな黒い磁石が五個ついてるのが少し変ってる。
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