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ぼくらは、駅への道をひたすらに走った。
ふー………。
なんなんだよ、今夜は…。
創也は消えちゃうし、ヤバそうな人に声をかけられるし…。
まるで春の妖精に化かされたような気分だ。
混乱した思いと一緒に走るぼくらを、三日月が笑っているように見下ろしていた。
さて、少し自己紹介をしておこう。
ぼくの名前は、内藤内人(ないとうないと)
どんな大人になるかわからないけど、ぼくが大きくなって、自分の子供(あるいは孫)に創也と空の冒険の話をするとしたらやっぱりこんやのできごとからはじめるのがいいだろうね。
だって、冒険のはじまりには、こんな三日月の夜こそがふさわしいと思わないかい?
「思う」
「空は黙ってて」
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