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どうして…
どうしてあたしぢゃないの?
拓也…(たくや)
拓也はあたしを愛してなかったの?
あんなに好きだよって、手握ってくれたぢゃない。
あたしは、ずっとずっと愛してたよ。
いつも拓也しか、見てなかったのに。
こんなに好きだったのに…あたしはどうなるの?
酷い…酷いよ…
あたしは2年近く付き合っていた彼氏に、浮気をされて別れた。今思えば、あたしが浮気相手だったかもしれない。
拓也とあたしは同い年で、中学三年生から付き合いだした。きっかけは何かあったわけではないが、ただ仲がよかった。どちらからとゆうわけでもなく、気付いたら一緒にいて、二人っきりの夕方の教室で、生まれて初めてキスをした。
恥ずかしくて、二人で笑い合ったよね。それが二人の始まり。毎日楽しくて、拓也に会うために学校に行ってたんだ。二人で授業サボったり、学校抜け出して、遊びに行ったり。それが親にばれて、二人で校長室で、頭下げたっけ。
そして受験を向かえて、二人は別々の高校に入った。最初は寂しくて、授業中でも、構わず連絡を取り合った。一緒に帰るのも、どんどん減り、部活や勉強に追われて、会う時間はかなり減っていった。拓也は口数も少なく、とてもクールでミステリアスな人だったから、それがカッコイイのか、女の子にはかなりモテていたらしい。そのせいもあって、自信がついたのか、中学の拓也とは少しイメージ変わっていった。
髪を明るく染めて、ピアスを何個も開けたり、制服のズボンを腰まで下げて、Yシャツは鎖骨が見えるほど開けていた。
イメージがまったく変わってしまった拓也…。
始めは、とても嫌で指摘していたあたしも、それがカッコよくみえて、一緒に歩くのが好きになった。腕を組んで、歩くと、同い歳くらいの女子高生は、拓也に注目する。そしてあたしは
“あたしの彼氏!”
と言わんばかりに、拓也にくっついて歩く。
拓也といるだけで、少し自慢になる。けど変わったのは外見だけぢゃなかった…。
高校に入ってから、他に女の子がいる予感がしていた。あたしに、あまり興味がなかったから。遊びに出かけても、何も言わないし、ヤキモチも妬いてくれない人になってた。前はすぐ
「誰と行くの?」
って聞いてきたのに。
メールも電話も、一日数えるくらいしかしなくなった。
“え?あたしのこと嫌いになったのかな。”
そう思って、何度も
『あたしのこと好き?』
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