✨。悲しみの世界から。✨

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どうして… どうしてあたしぢゃないの? 拓也…(たくや) 拓也はあたしを愛してなかったの? あんなに好きだよって、手握ってくれたぢゃない。 あたしは、ずっとずっと愛してたよ。 いつも拓也しか、見てなかったのに。 こんなに好きだったのに…あたしはどうなるの? 酷い…酷いよ… あたしは2年近く付き合っていた彼氏に、浮気をされて別れた。今思えば、あたしが浮気相手だったかもしれない。 拓也とあたしは同い年で、中学三年生から付き合いだした。きっかけは何かあったわけではないが、ただ仲がよかった。どちらからとゆうわけでもなく、気付いたら一緒にいて、二人っきりの夕方の教室で、生まれて初めてキスをした。 恥ずかしくて、二人で笑い合ったよね。それが二人の始まり。毎日楽しくて、拓也に会うために学校に行ってたんだ。二人で授業サボったり、学校抜け出して、遊びに行ったり。それが親にばれて、二人で校長室で、頭下げたっけ。 そして受験を向かえて、二人は別々の高校に入った。最初は寂しくて、授業中でも、構わず連絡を取り合った。一緒に帰るのも、どんどん減り、部活や勉強に追われて、会う時間はかなり減っていった。拓也は口数も少なく、とてもクールでミステリアスな人だったから、それがカッコイイのか、女の子にはかなりモテていたらしい。そのせいもあって、自信がついたのか、中学の拓也とは少しイメージ変わっていった。 髪を明るく染めて、ピアスを何個も開けたり、制服のズボンを腰まで下げて、Yシャツは鎖骨が見えるほど開けていた。 イメージがまったく変わってしまった拓也…。 始めは、とても嫌で指摘していたあたしも、それがカッコよくみえて、一緒に歩くのが好きになった。腕を組んで、歩くと、同い歳くらいの女子高生は、拓也に注目する。そしてあたしは “あたしの彼氏!” と言わんばかりに、拓也にくっついて歩く。 拓也といるだけで、少し自慢になる。けど変わったのは外見だけぢゃなかった…。 高校に入ってから、他に女の子がいる予感がしていた。あたしに、あまり興味がなかったから。遊びに出かけても、何も言わないし、ヤキモチも妬いてくれない人になってた。前はすぐ 「誰と行くの?」 って聞いてきたのに。 メールも電話も、一日数えるくらいしかしなくなった。 “え?あたしのこと嫌いになったのかな。” そう思って、何度も 『あたしのこと好き?』
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