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って聞いてたけど、返ってくる言葉はいつも同じ。
「うん。」
だけ。決して好きと言う言葉は、出なかった。
しつこく聞くと、嫌がった。
それだけじゃない。デートの間も、拓也の携帯は何度も鳴っていた。
そんなことなかったのに…。
『誰?』
って聞いたことあったけど
「友達」
って言われてすぐに会話が終わってしまった。
“友達って誰?”
って聞き返したかったけど、うざいって思われたくなくて、言葉を飲み込んだ。機嫌悪くされたくなかったし、きっとそんなこと聞いちゃだめな気がしたの。けど…。あの日はそうぢゃなかったよね。
『拓也…遅いな。』
人が行き交う駅前、あたしは拓也を待っている。
今日は拓也と出かける約束をして、10時に待ち合わせしたのに、もう10時30分をまわっている。時間、間違えたかな…。最近の拓也はいつも遅刻をしてくる。あたしはいつも先にきて、拓也を待ってる。
いつも待ってばかり…。本当に待っている時間とゆうのは、どうしてこんなに時間が長く感じるのだろう。時計を見るたびに時間はあまり変わらない。苛々する…。あたしは我慢が出来なくなり、拓也に電話をかけた。
「…電波の届かないところにいるか、電源が入っていないためかかりません…。」
『は!?』
拓也何してるの?
その後も何度か電話をしたが全く繋がらない。あたしはどんどん募る苛々にどうしていいかわからず、拓也にメールを入れて、そこら辺のファミレスに入った。帰るわけにも行かないし、もしかしたらあと少しで拓也が来るのかもしれない、そう思った。
もう少し待とう…。
もう少し…。
もう少し…。
そう思っているうちに、もう11時30分になろうとしていた。あたしはもう2時間拓也を待ってる。
“何やってんだろう…あたし一人で馬鹿みたい。”
もう一度だけ電話して、出なかったら帰ろうと思い、ケータイを手にした。すると、ケータイが鳴った。あたしは慌ててケータイを開いた。拓也から電話だ。
『もしもし?!』
「ごめん!友達から電話きてさ~ずっと切らしてくんなくて…。ごめん今着くから。ぢゃ。」
『ちょっ…』
“え…嘘ついた…?”
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