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「……では、もうじき宝条の仕組んでおいたプログラムが作動する、というわけか」
世界を変える前に……その下準備として、まずはこの都市を解放するとしよう。
その変革の時まで、残された時間は精々あとニ、三分足らずといったところだろう。
「時間が無いな……急ごう。
赤瀬、アルテミス……そして、ゼニス。
私についてくるがいい」
路地の壁に立て掛けておいた、ニメートル程の棒状の物体を手にとる。
白い布で覆い隠されたそれは私の得物、私の能力を最大限に活かす事ができる武器。
ゲートには、警備員も少なからず配置されているはずだ。
ならば、障害は実力をもって排除する他に無いだろう。
それが一番、手っ取り早い。
「行くか……アルテミス、ゼニス。
あの人が負けた以上、この都市に俺がこだわる理由はねぇしな……世界を変えてくれるんなら、この際どこの組織でも構わない」
「……うん、恭平が行くなら私も行く」
「僕は……僕も、行きますよ。
父さんにも、『引き受け先に従え』って言われましたから……」
……後ろの三人の意見もまとまったらしい。
準備は整った。
さて……一仕事するとしよう。
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