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……うわ、風斬【カザキリ】のおっさん、負けてやがんの……。
だっせー……。
「上井竜介……できれば大人しく投降してもらいたいんだが……どうだ?」
霧谷と一緒に来たもう一人の男が、俺に拳銃を向けながら問いかける。
誰が投降するかよ、バーカ。
腕を組んでステージにもたれかかりながら、ガードの男をよく見る。
……ん?
なんかこいつどっかで見たような……?
……あ。
「あー……お前、思い出したわ。
昨日、霧谷と俺がやり合ってたのを邪魔しに来たやつだろ?」
「……あぁ。
治安維持組織『ガード』、情報部所属の鞍馬修治だ。
確かに昨日はあの時たまたま近くにいたから、俺が現場に向かったぞ。
まぁ……お前とは会話する前に逃げられたけどな」
……まぁ、あの後こいつの他にも増援が来たら面倒だったからな。
……決まりだ。
こいつもついでにブッ殺す。
「……ま、そうだな。
一応は俺のパートナー……って言ってもあの風斬のおっさんがやられた所で俺が捕まるわけでも無いし?
取引邪魔されたからって、組織から特に罰せられるとかは聞いて無いし?
とっとと逃げても別にいいんだけどよぉ……俺的にはおもいっきり暴れてガードの二人をボコる、ってのも面白いかもな。
ま、つーわけで……」
ステージから十メートル程離れた座席の所に立っている鞍馬の野郎にそこまで言って、ポケットからコインを三枚取り出す。
さーて、まずは……。
「……一発くらっとけ」
目の前にコインを一枚落とし、残りの二枚をあいつの近くに投げる。
コインを核として《ロックアート》発動。
造り出すのは俺の思い通りに動く操り人形『マリオネット』
今俺が立っているステージ下には、装飾のために大理石が使われている。
銃による攻撃を防ぐための壁として目の前に一体、足元の大理石を素材として人形を造り出す。
残りの二体は鞍馬を左右から挟むように、造り出す。
あー……なんかあっちの二体は周りにある座席まで一緒に巻き込んで作っちまったせいで、若干変な形になってるけど……。
まぁ、大丈夫だろ。
「……行け」
……ぶん殴ってこい、『マリオネット』。
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