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向かって右側のマリオネットには地を蹴り、鞍馬に飛びかからせる。
逆側のもう一体には全体重をかけた右ストレートを繰り出させる。
左右からの同時攻撃。
避けられる距離じゃねぇだろ?
まともに受け止めたら確実に骨折だろうしな。
「なに……!?」
鞍馬の口から発せられた、焦りを感じとれる声。
まぁ初見で俺に勝とうなんてのがそもそも……。
「……なんてな」
「……は?」
目の前で起こった事を見て、間抜けな声が出る。
鞍馬の横で二体のマリオネットが相討ちになり、その場に重なるように倒れこむ。
あいつ……右から飛びかかってきたマリオネットをギリギリで受け流しやがった!?
そのまま、鞍馬は持ってきたナップサックの中からボールのようなものを一つ取り出した。
……おい、待て。
あれってまさか……。
「やっぱ煉からお前についての報告を受けといて正解だったな。
ほら、プレゼントだ」
そう言ってマリオネットにそれを投げた後、鞍馬もその場から素早く離れ、座席と座席の間に身を屈めて隠れる。
直後、二体のマリオネットのいた場所で爆発が起き、二体とも粉々に砕け散る。
あの野郎……まさかナップサックの中は全部手榴弾か?
確かに手榴弾なら破壊力は十分だが……イカれてんじゃねえの?
……まぁそのぐらいはしてもらった方が倒し甲斐もある、ってもんだ。
「……対策はできてる、ってか?
……おもしれぇ。
それじゃ、どんどんいかせてもらうぜ……なぁ!?」
変幻自在の、《ロックアート》。
攻略できるもんならしてみやがれ!!
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