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……さて、自信満々に言ってみたものの……どうするべきか……。
確かに煉から聞いた上井についての情報を元に、準備はしてきた。
さっきの人形の他にも巨人や大蛇を造り出す事ができ、造り出した物を操作して近距離で爆発させる攻撃もしてくるらしい。
だが二つ、予想外の問題がある。
一つは上井と一緒にいた、『取引相手』らしき女子高生。
今はステージの端に隠れているが、彼女は見たところ一般人のようだし、戦闘に巻き込むわけにはいかない。
手榴弾はステージ近くでは使わない方がいいな……。
そしてもう一つの問題。
「オラ!!
これならどうだ、鞍馬よぉ!?」
上井がキレた。
いや、もしかすると楽しんでいるのかもしれない。
すごく楽しそうだ。
だが……
「……まいったな」
こっちとしては勘弁して欲しい。
今度投げられたコインは十枚。
上井の一メートル程前、横一列に並ぶように投げられたそれらは周囲の床や座席を纏い、最終的に一匹の巨大な大蛇へと姿を変える。
全長は約八メートル程度。
ただのオブジェなら問題無いが……。
「お次は特大サイズの『スネーク』だ。
今度はおとなしく……潰されちまえ!!」
上井の言葉に答えるように大蛇がこちらに鎌首をもたげ、尻尾を軽く振る。
軽く振った尻尾がいくつかの座席を破壊し、なぎ倒す。
……やっぱり動くよな。
冗談きついぜ……!!
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