第三章

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それから時は過ぎて、夏休みが近づいていた。 あれから漆黒の月は何も仕掛けてこなかった。 幸也は学校に相変わらず登校していた。 前と変わらず話しかけてくるから、源吾がずっと横に居てくれた。 「もうすぐ夏休みだね♪皆でどっか行こうよ。」 定番となった屋上で僕は源吾たちに提案する。 「良いね。だったら僕たちの家に泊まりに来る?」 雅人からの申し出に僕の顔はキラキラしていたと思う。 「良いの!?わぁ。泊まりなんて初めて!」 「大歓迎だよ♪じゃあ、夏休み中泊まる?」 喜び過ぎたのか、真理亜の言葉をあんまり聞きもしないで何回も頷いていた。 「じゃ、決まりだね♪」 あ、でも…… 「僕たちの家って皆で住んでるの?」 「うん。一緒に居た方が楽だしね。嶺樺さんも一緒だよ。」 僕の質問に答えたのは雅人。 何か役割でも出来てるのかな? 質問とかに答えてくれるのが雅人で、提案とか話し相手になってくれるのが真理亜、あんまり話さないけど一緒にいてくれるのは源吾。 こう考えると綺麗に分かれてるなぁ。 そうして僕は泊まりにいくことになった。
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