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「先程も言いましたが、治癒能力は世界に一人しか居ないという珍しい能力です。真理亜も二つ能力を持っているので十分珍しいですが。漆黒の月は珍しい能力者を集め、悪さというより暗殺などを繰り返しています。しかし、そういう組織ですので、怪我人は半端なく居ます。そういう人たちの治療に人手は足りません。ですから、治癒能力を持つ澪夜くんを狙っています。」
「そんな理由で!?」
皆も思ったよね?ね?
「はい。しかし、澪夜くんを手に入れられないのなら命を狙いにくると思われます。」
「い、命?」
「はい。澪夜くんは強力な霊感も持っていますよね?強力な霊感は霊を呼び、意のままに操る事が出来ます。そして、澪夜くんの両親は優秀な能力者であると共に人の能力を向上させる事が出来ました。ある条件さえクリアすれば。」
真剣に話している雅人。
その目から本気だと分かる。
「ある条件?」
「はい。それは向上される相手が血を飲むこと。そして、その能力は貴方に遺伝されています。漆黒の月は貴方の血を飲むために命を狙うでしょう。」
「そういう訳で俺たちはお前のガードを頼まれた。」
横から言ってくる源吾にもう頷くしか出来ない。
「頼まれたって誰に?」
だが、疑問は生まれる。そう雅人たちの素性だ。
「私たちの所属してる組織、“光りの翼”からだよ。私たちの所属してる組織は、漆黒の月のしている事から皆を守る事。そのために集った人たちで作られた組織だよ。」
「じゃあ、何で皆はその組織に?」
「僕は、光りの翼の長老に拾われたんだ。捨て子だった僕は光りの翼で育った。だから光りの翼は僕の家族同然で守りたい物なんだ。」
そう言った雅人は嬉しそうに笑っていて、本当に大事なんだと思わせた。
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