第一章

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「俺は…知らない。記憶がないんだ。気付いたら組織に居た。だから何で入ったのかは分からない。ジジイの話じゃ相当ショックな事があったらしいがな。」 「え……何かゴメン。」 「気にすんな。別に何とも思っちゃいねぇよ。」 そう言って、源吾は僕の頭を撫でた。 「真理亜は?」 暫くしたあと、真理亜に話をふる。 「私は、さっき雅人が言ってたように二つ能力を持ってるから珍しいんだよね。それで漆黒の月から狙われてた。でも、澪ちゃんみたいにガードが来て守ってくれたんだ。それがキッカケ。まだ私は狙われてるかもしれないけど、前の私みたいに狙われてる人を守りたいんだ。」 真理亜は強いって思った。 多分まだ怖いんだろう。でも、守りたいと思う意思が恐怖心に打ち勝ってる。 真理亜の目には、確かな覚悟があった。 「そっか。分かった。信じるよ。ちゃんと守ってよ?」 そう言って笑う僕に当たり前だといって皆笑った。
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