第二章

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「こんなとこに呼び出してどうしたんだ?幸也。」 「んー今なら見張りの目から抜けられるかなって。」 屋上についた僕は先に来ていた相手、幸也に問いかける。 幸也は笑って、しかものんびりした口調で返した。 「で、相談って?」 そう言って手紙を見せる。 昨日、届いた手紙だ。手紙の内容は相談したいことがあるから明日の11時に一人で屋上に来てくれって事。 「んーそれなんだけどさ、俺と一緒に来てほしい所が有るんだよね。」 「それってどこ?」 来てほしい所が有ると言ってくる幸也に僕は問いかけた。 幸也はニヤッと笑って答える。 「漆黒の月だよ。」 「え?………んっ!んー!!」 そう言われた直後に布で口を覆われた。 必死に退かそうとするが押さえつけているのは明らかに人じゃない。 動く分だけ布に染み込んだ薬品を嗅いでしまい、徐々に意識が遠ざかっていく。
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