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目が覚めた場所は車の中だった。
体を起こして見ると、窓の外は見た事がない景色が広がっていた。
「起きた、澪夜?具合はどう?」
前の席に座っていた幸也が僕に気付いて声をかける。
「何で……幸也が?」
呼び出されて何か嗅がされたのは理解してる。
でも、未だに幸也が漆黒の月のメンバーだと理解したくない自分が居る。
「相変わらず甘いなぁ、澪夜は。正真正銘のメンバーだよ。俺は。」
僕の考えを読んだかのような幸也の態度に、本当の事だと気付かされる。
でも、心は拒否している。
「もうすぐ着くから。」
そんな僕に幸也はそれだけ言って、前を向いた。
何気なく外を見ると、窓の外から手を振っている男性。
…………あ、そうだ。
僕は手招きでその男性を呼んだ。
「何だ?」
若干嬉しそうに見える。
「申し訳ないんだけど、この車から逃がしてくれないか?」
幸也にバレないように小声で頼む。
幸いにもエンジン音でバレてないようだ。
男性は分かったとだけ言って、また外に出た。
その直後、急ブレーキする車。
どうやら、車がパンクしたようだった。
その後、バンッという音と共に僕の横にあるドアが勢いよく開いた。
直ぐに車を降りて、とりあえず走った。
後ろから幸也が能力を発しながら追いかけてくる。
幸也は元々、足が速い。それに加えての能力。
僕は直ぐに追い詰められた。
「余計な手間、かけさせんなよ。」
そう言って、僕に伸ばされる手を横から誰かが掴んだ。
「遅くなったな、澪夜。」
「源吾!」
そう掴んだのは源吾だった。その後ろから雅人と真理亜が来る。
「雅人!真理亜!」
「遅くなっちゃってゴメンね。場所特定するのに時間かかっちゃって。」
ほっと安心するのが自分でも分かった。
幸也は間をとり、源吾と睨みあっている。
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