28人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の横に真理亜がつき、二人は幸也に向かう。
「手加減しねぇぞ?」
「することあるのか?」
源吾の言葉に、幸也が皮肉を返す。
暫く睨みあっていたが、三人は同時に動き出した。
源吾が炎の玉を幾つも作り出し、幸也に向かって放つ。
雅人は影を使って、幸也の後ろから殴りかかる。
だけど、幸也はいつの間にか僕の前に姿を表していた。
「え!?」
瞬間に真理亜が風の渦を幸也に向けて放つ。
幸也はいとも簡単に避けていて、真理亜の後ろに居た。
そして何かが真理亜の首を絞めているらしく、真理亜は苦しそうに顔を歪める。
その何かが僕には分からなくて、どうしようもなかった。
源吾と雅人はいつの間にか僕の横に居て、幸也に殴りかかろうとしていた。
「真理亜!」
近くによると、僕を安心させるように真理亜は笑って、意識を失った。
どうやら気絶しただけのようだ。
僕は安心してほっとため息をついた。
「余裕だね、澪夜。」
いきなり隣から聞こえる声に驚き、隣を見ると幸也が居た。
さっきまで戦っていたはず………源吾たちは!?
源吾たちの方を見ると、源吾たちは立ち上がる事が困難そうな位にボロボロだった。
すぐに治療しようと走り出すが、幸也に手を掴まれてしまった。
「は、離せ!!」
「無駄無駄。俺の能力からは逃げられない。さぁ、澪夜。選べ。俺と共に来るか、それともコイツラを皆殺しにするのを見たいか。」
「え……」
「聞くな!澪夜。俺たちは大丈夫だ!絶対に死なない!!」
遠くから源吾の声が聞こえる。
でも、その声すらも何時もより弱々しい声。
僕が行けば皆は助かるの?だったら……
「分かった。幸也と行く。だから、せめて皆を治療させて?」
怖いけど、一緒に行く。
それが僕の出した答え。
「全く、ダメな子達ですねぇ。まだまだ力不足ということですか。」
最初のコメントを投稿しよう!