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「う……ん…此処は?」
最初に目が覚めたのは真理亜だった。
「真理亜!大丈夫?此処は学校の屋上だよ。」
「屋上……澪ちゃん!平気!?」
暫く寝ぼけていた真理亜だが、はっきり起きたらしく僕に安否を聞いてくる。
「大丈夫だよ。嶺樺さんが助けてくれたんだ。」
「風梛さんが?」
嶺樺さんの名前を出すと、驚いたのか真理亜は目を見開いている。
「目が覚めたみたいですね。」
そんな真理亜の後ろに嶺樺さんは突然現れたので、二人で驚いてしまった。
「風梛さん、ありがとうございました。」
我に帰ったのが一足早かった真理亜はお礼を言った。
それに対して、嶺樺さんは笑うだけだった。
残り二名も次々に起き出し、嶺樺さんにお礼を言っていた。
何故か源吾は冷や汗をかいていた。
何かあるのかな?
「何で嶺樺がこんなとこにまだ居るんだ?」
最もな質問を源吾がする。
「このメンバーに私が加わるよう命を受けましてね。明日からこの学校の教師ですよ。」
「げっ!マジかよ……」
その源吾に対してニコニコして返す嶺樺さん。
源吾の呟きが聞こえたのだろうか嶺樺さんの笑みは深みを増していて、源吾の冷や汗の量が増えていた。
今はもう夜も近く、皆は後夜祭の準備をしていた。
後夜祭で上がる花火を僕たちは屋上で見ていた。
今日の出来事が嘘のような気がした。
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