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「行ってきます。」
誰も居ない家に習慣になった言葉を発し、何時ものように家を後にする。
今日も良い天気だ。
早く出過ぎた僕は、自然と公園に足を向けた。
公園は木々が風で揺れていて涼しい。
暫くそこに居た後、僕は学校に行くため公園を出た。
キキーッ
近くで急ブレーキの音。
走って行ってみると、死にかけた犬が道路わきに横たわっていた。
僕は直ぐに犬に駆け寄る。
「痛かったろ?今治してやるからな。」
僕は周りに人が居ない事を素早く確認して、傷口に手を当てた。
見事に傷は消え、犬は元気になり僕にすりよってくる。
これが僕の力。
他の人には内緒だよ?
「相変わらずだね、澪夜。」
「放っとけないじゃないですか。おじさんも早く成仏して下さいよ?」
「努力はするよ。」
そんな事をしていると、道路わきで話しかけてくるおじさん。
前、ここであった衝突事故で亡くなった人。
他愛のない話を良くするうちに、仲良くなった。
あ、いけない!学校!
学校の事をすっかり忘れていた僕は、走って学校に向かった。
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