第一章

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「行ってきます。」 誰も居ない家に習慣になった言葉を発し、何時ものように家を後にする。 今日も良い天気だ。 早く出過ぎた僕は、自然と公園に足を向けた。 公園は木々が風で揺れていて涼しい。 暫くそこに居た後、僕は学校に行くため公園を出た。 キキーッ 近くで急ブレーキの音。 走って行ってみると、死にかけた犬が道路わきに横たわっていた。 僕は直ぐに犬に駆け寄る。 「痛かったろ?今治してやるからな。」 僕は周りに人が居ない事を素早く確認して、傷口に手を当てた。 見事に傷は消え、犬は元気になり僕にすりよってくる。 これが僕の力。 他の人には内緒だよ? 「相変わらずだね、澪夜。」 「放っとけないじゃないですか。おじさんも早く成仏して下さいよ?」 「努力はするよ。」 そんな事をしていると、道路わきで話しかけてくるおじさん。 前、ここであった衝突事故で亡くなった人。 他愛のない話を良くするうちに、仲良くなった。 あ、いけない!学校! 学校の事をすっかり忘れていた僕は、走って学校に向かった。
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