第一章

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はぁはぁ、間に合った。 ギリギリ席に着くことが出来た。 「よぉ。遅かったな。」 「はは、色々あってね。」 僕が席に着くと前の奴が話しかけてくる。 コイツは僕の友達、立川幸也(タチカワユキヤ)。 僕は幸也に曖昧に答えると、息を整えた。 担任が入ってきて、HRが始まる。 「今日は転校生が来てる。しかも三人だ。急な話だが、全員このクラスだ。」 転校生? 担任の言葉を聞いたクラスメートは一斉に騒ぎ出す。 「おら、静かにしろ。あー三人入れ。」 ガラッ 教室のドアが開き、三人が入ってくる。 「柳沢雅人です。宜しく。」 柳沢は知的でクールそうな雰囲気を持っていた。 「高橋源吾だ。宜しくな。」 高橋はいかにも不良っぽい雰囲気を持つ人だった。 「中内真理亜です。宜しくね♪」 中内は幼さが残ってるような感じだった。 三人とも美形なので、クラスはまた騒ぎ出す。 「何か質問あるか?」 そう担任が聞けば、殆どが手を上げる。 「好きなものは何ですか?」や「趣味は?」などありきたりな質問ばかりだが。 「じゃあ、席は…」 担任がそう口にすると皆が近くになりたいと騒ぐ。 「先生、僕は牧野澪夜くんの隣が良いです。」 「俺は後ろ。」 「私も横が良いなぁ。」 何故か皆が僕の近くが良いと言う。 「おい、お前の知り合いか?」 そう幸也が聞いてくるが、マジで知らない。 結局、三人の席は希望通りとなった。 柳沢が左隣で中内が右隣、高橋が後ろだ。 「宜しくね。」 「宜しく。柳沢。」 「下で呼んでくれよ。僕も下で呼ぶから。」 「分かった。雅人。」 柳沢…いや、雅人の希望通り言えば、雅人は笑顔になった。 「私のことも下で呼んでね。」 「じゃ、真理亜さん。」 流石に女性を呼び捨てする事は出来ず、さん付けで呼んだのだが真理亜さんは不服そうだ。 「ダメ!呼び捨て!」 「………真…理亜。」 断る事も出来ず、しどろもどろになりながら言ったのだが、真理亜さ…真理亜は満足そうだった。 「俺の事も下な。名字で呼んだら殺す。」 「…えっと、源吾?」 脅し!?とか思いながらも呼び捨てで呼ぶ。 源吾は微かに笑った。 一瞬だったが、しっかり見えた。 そうしてる間にHRは終わっていた。
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