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「超~絶ッ……気に入らねぇーーーーーッ!!!」
ゴーストが目を覚ましたのはリリアが魔術をかけてから5日後。
前までのゴーストなら、リリアが設定したように1ヶ月眠っていただろう。
だが、ゴーストはリリアの魔術を打ち破った。
それでもリリアの魔術は強力で、5日は眠ってしまったが。
「さて……厄介なのはこの結界なんだが……」
拳を握り、結界に軽く拳を当て具合を確かめた。
こんなもので閉じ込めたつもりか。
ゴーストは素直にそう思う。
その結界は、前にオルガロスの街でゴーストを閉じ込めたあの結界ではなかった。
「眠らせる魔術の方が強力で、結界は大した事ないな」
ゴーストは結界を拳で簡単に打ち砕いて幽霊の里を出た。
結界が破れた事で家族を眠らせている魔術の効果も直に消え、目を覚ますだろう。
だがゴーストにはそれを待っている時間はなかった。
急いでリリアに追いついて、彼女を止めなければならない。
「一人で何が出来るんだ……俺にそれを教えたのはテメェだぜ、リリア……!」
里を抜けた先の荒野に放置された物を見て、ゴーストは呆れて溜め息を吐き出した。
「俺を置いて閉じ込めておきたいなら何であいつバイクを壊してないんだ……」
だがそれを見てゴーストが、バイクを使わずにワープを使って魔王城に行った事を推察した。
「マズい……バイクなんてあっても意味ねぇじゃねぇかよッ!!」
リリアが何故バイクを放っていったのか分かり、ゴーストは頭を抱える。
それでも歩くよりは断然早い。
迷っている時間が勿体無いとゴーストは急いでバイクに跨ると、アクセルを噴かせて発進した。
──そして二週間後。
オルガロスで死にかけた竜華と再会した。
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