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二人で固まったまま黙ってしまった。
あの男の兄?
何故?
もうそれしか考えられなかった。
何故?
暫らくして加納はゆっくりと胸ポケットから何かを取り出した。
それを私の手のひらに乗せるとしっかり握らせた。
「思い出してくれ…」
その一言を残すと目の前から消えていった。
(何故?…思い出すって…何を?誰の事を?)
そっと手を開くとそこには小さなガラスの瓶があった。
それを光にかざすと中の液体がキラキラと光っている。
「…きれい…」
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