小瓶

4/12
1629人が本棚に入れています
本棚に追加
/121ページ
二人で固まったまま黙ってしまった。 あの男の兄? 何故? もうそれしか考えられなかった。 何故? 暫らくして加納はゆっくりと胸ポケットから何かを取り出した。 それを私の手のひらに乗せるとしっかり握らせた。 「思い出してくれ…」 その一言を残すと目の前から消えていった。 (何故?…思い出すって…何を?誰の事を?) そっと手を開くとそこには小さなガラスの瓶があった。 それを光にかざすと中の液体がキラキラと光っている。 「…きれい…」 .
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!