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「慌てないで。ゆっくりでいい」
男の声には私を落ち着かせる性質があるのか、一瞬強ばった身体から力が抜けた。
「今は何も考えないでゆっくり眠ったらいい。大丈夫。傍に居るから…大丈夫」
男はそう言って私の頬を優しく撫でた。
その声と手の温もりに安心感を覚えて身を委ねる。
相変わらず男はゆっくりとした口調で『大丈夫。大丈夫』と繰り返す。
そう言われると何故か本当に『大丈夫』な気がしてまた微睡みに襲われた。
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