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目が覚めた時に聞こえたのは、授業中なのにも関わらず、遠慮の欠片もなく騒ぎたてるクラスメート達の声だった。
教壇に立って話している教師も、授業を全く聞かない生徒達を咎めるでも無く、抑揚のない声で、誰も聞かない形だけの授業を淡々とこなしている。
机の上で伏していた頭を上げると窓から差す太陽の光が眩しくて、反射的に目を細めた。
教室の窓際の後ろから二番目にある僕の席は、教室の中でも特に日当たりが良いため、今日みたいに雲一つない快晴の日には日の光が眩しくて、黒板を見ようとしても、目が一分で悲鳴を上げてしまう。
もっとも、それは授業を真面目に受ける場合の話で、クラスメート同様に授業を聞くつもりの無い僕にとって、黒板が見えない事に不自由を感じる訳では無い。
授業中はほぼ全て、こうして頭を伏して居眠りをするだけだった。
ロボットのような死んだ目で数式について説明する教師の声に耳を傾けるつもりはこれっぽちも無かったし、音楽や漫画、抱いた女について汚い言葉で話すクラスメート達と仲良くお喋り、なんて事も無かった。
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