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「一年生の時は一回だけだったのに、今年は毎回送られて来てるじゃないの。進級、大丈夫なの」
今まで、一度も僕の将来や進路について口出ししたことがなかった母が、タンスの上から赤点通知を取り上げて、そう訊いた。
さすがの母も、今回のテストの結果には、畏怖の念を感じざるを得なかったのだろう。
例え拘束具を身に纏った状態で、空中で3回宙返りを成し得たとしても、僕のテストの結果は散々としか言いようのないものだった。
別に、ウチの高校の定期テストが格別に難しいと言う訳でもなく、むしろその辺の公立の中学生に問題用紙を見せたとしても、軽く鼻であしらわれてしまうような代物だった。
僕の高校は、生徒の知能指数が死語二時間経った死人レベルと言われる(言ってしまえば、頭が既に機能を停止している)、典型的な落ちこぼれ不良校だったけれど、僕はその落ちこぼれの中でも、さらに丸2日放置されて、もはや頭の中身が腐ってしまった死人のような、ちょっとばかり、いやかなり腐臭の漂うものだった。
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