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「・・・っ、」
ただいま、養護教諭である五十嵐 大は、自分の間の悪さを痛感しているところであった。
昔のクラスメートであり、今、同じ学校の教師である五十嵐 吾朗が若い女と歩いているのだ。
何が間が悪いのか、当の本人には分かっていないのだが。
なんで、休みの日に偶然通った道であんなのみなければならないのだ。
(・・・なんだよ、アイツも彼女ぐらい、いるんじゃねぇか)
普段、大に対してかなり密着するし、好きだとかぬかすからてっきり、そっち系かと思った。
(良かったじゃないか。これで、もうベタベタされる心配はないし・・・)
ーーでも。
(なんで、俺。気になってるんだろう)
ふるふると首を振る。
こんなの、一種の迷いだ。すぐ、消える・・・。
大はよく分からない気持ちのまま、その場を後にした。
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