2人が本棚に入れています
本棚に追加
「暇だな~、マスター早く帰ってこないかな~」
歌うのをやめたルカは膝をついて呟いていた。
「こき使われないのはいいけど、何もすることがないのもつまんなくて嫌だな~」
そのまま岩の上で仰向けになった。帽子が落ちた。見上げると空は青空。白い雲がポツリポツリと浮かんでいる。やけに嘴が長い小鳥の群れが飛んでいった。しばらくそれを眺めた。
「なんかないかな?」
突然飛び起き、帽子を拾いかぶり、車の近くに移動した。そして中の荷物をあさり始めた。
食料類や衣服類。必需品や工具セット。売れそうな物や布にくるまれたルカのもう1つの体。そして。
「おっ、これは…」
ルカが手に取ったのは2つの剣。『聖剣』と呼ぶ白鍔の剣と『魔剣』と呼ぶ黒鍔の剣。グレイの愛刀だ。
最初のコメントを投稿しよう!