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弾力のある唇が、
あたしの唇とぶつかって
少しだけ跳ねた。
その瞬間、
身体中を流れる血液が
ザワッと
沸騰したような感覚だった。
それが引いたあと、
あたしの胸の中心では
ジンと温かな痛みが
長くあとに残った。
「ン…」
擦れた声が鼻の奥から漏れた。
…チュッ
彼が
あたしの上唇だけ加えて、
急に離すから
リップ音が鳴った。
それによって
少しだけ隙間の開いた唇。
朱色の舌が、
あたしの口内に
ゆっくりと侵入してきた。
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