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「おお、聞いた事がある」
「賛美歌112よ」
「『諸人こぞりて』か」
すると風がおさまり、入り口の近くに2メートルほどのうっすらと雪ダルマのような影が見えてきた。
「あれが走鬼か」
「うん」
「スタイル悪いなあ」
礼司はギターを持って、人差し指と中指と薬指で弦を押さえて弦をはじいた。そのジャーンという音で走鬼の影は濃くなった。
「弾けるじゃない」
「メジャーコードはな。マイナーコードが難しくてギターを止めた」
魔美の弾く曲に合わせて礼司は激しくピックを動かすと、走鬼の輪郭がさらにはっきりしてきた。
「もう少しだ」
「あと5分よ」
すると、後ろのドラムが鳴り出した。
「おい、だれだ?」
礼司が後ろを振り返ると
魔美が
「この前死んだ、「フームーン」のドラマー霊だわ」
次にベースが鳴り出した。「おお、シミケン、少し太ったか?」
次にギターが鳴り出した
「OCHA相変わらず派手な頭だなあ」
礼司はギターを弾くのを辞めると最後にトランペットが鳴り出した
「ふじかぁ、サンキュー」
4人はロックの『諸人こぞりて』演奏した。
そして音楽が変わりダルメシアンという曲になった
「おお、ナイルの曲だ」
すると、走鬼の姿がはっきりと現れ、
「おっし」と言って、礼司はギターを持って走り出した。
そして、ギターのネックを持って大上段に構え、ジャンプして上から叩き下ろすとギターは真っ黒な斧に変わった。
「手ごたえあり」
走鬼から白い液体が飛び散った。すると、『ニューコア』から4つの白い塊と、千駄ヶ谷の国立競技場から6つの白い塊が夜の空へ昇っていった。
「あのメンバー、音楽好きだったんだね」
「ああ、向こうの世界でもきっといいバンドになるさ。任務完了」
「あっ、時間だ」
魔美が言った。12時になった瞬間、周りにたくさんの若者が踊っていた。
「何だ? おやじとガキ」
タトゥーだらけの男が言った。
「帰るぞ。魔美」
「あはは、私は未成年だ」
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