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1階に下りた礼司たちはホテル街の坂を下った。その時、魔美が礼司に言った。
「うん、はいプレゼント」
魔美はジャンパーのポケットから袋を取り出した。
「くしゃくしゃになっちゃったけど」
「ああ、ありがとう」
それを受け取った礼司が涙ぐんだ。
「実は俺も」
水色の小さな四角い箱を渡した。
礼司は袋を開けると黒の皮の手袋が入っていた。
「レーシンググローブだ。ありがとう、魔美」
箱を開けた魔美が、
「あっハートのペンダントだ」
「あはは」
礼司は顔を赤くして笑った
「ありがとう。でもさ、ハートのネックレスをもらうには年齢差が有りすぎー。ふふふ」
「わりい、高校生に何のプレゼントをあげていいかわからんから」
「ううん、でもうれしい。ありがとう」
魔美はそっと右目尻を人差し指でなでた。
「ラーメンでも食べるか」
「うん、味噌ラーメン」
「ああ、俺も好きだ。メリークリスマス」
「メリークリスマス」
礼司は魔美の頭をなで、渋谷の並木はキラキラと輝いていた。そして、バックにはひらなともの『天国への手紙』の歌が流れていた。
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