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「外で鈴音が聞こえて嵐丸が鳴けば、必ず窓を開ける」
「あはは」
魔美は嵐丸を抱いて車から降り、礼司は嵐丸を仁の家の庭に離した。
「嵐丸、鳴け」
礼司は念を送ると嵐丸は、庭からリビングに向かって大声で鳴きだした。
「あと1分」
「開くかな」
その時サッシがカラカラと開く音がした。
「11時だよ」
と魔美が言うと、礼司は鬼のノブを握った。すると、仁の家に白いモヤがかかり、回りの音が消えた。
「行くぞ」
「うん」
庭に入るとサッシが開いて、緑色の柿種くらいの大きさの物が80センチくらい宙に浮かんでいた。
「向こうの世界では、ここに本体があるんだな」
礼司は波動を送り
「フィニッシュ」
と言って、後ろを向いて指を鳴らした。
しかし、種に変化が無かった。
「だめなの?」
「うん」
「どうする?」
「あの時、仁は……。そうか」
礼司は突然、玄関に走りバケツに水を汲んで戻ってきて、その種に水をかけた。すると、その種から小さな芽が出た。
「こういうわけだ」と言って、礼司は、波動を手から送り出した。すると、その芽が青い炎上げて燃えた。
「さあ、行くぞ」
「うん」
「嵐丸は?」
「あはは、家の中の猫の餌食べている」
「いくぞ」
2人と嵐丸はタクシーに飛び乗り、鬼のノブを付けて走り出した。
「次はナイル、頼む」
「わん」とナイルは吠えた
「11時10分、予定通りだ。品川まで20分」
「そんなに早く行けるの?」
「だって、誰も走っていないから。あはは」
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