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「ナイル戻るぞ」
礼司は、近くにあるソーセージをつかんで出てきた。
「良い子のみなさんやっちゃいけませんよ」
車に乗った礼司は魔美にソーセージを渡しながら聞いた。
「魔美、あと何分だ」
「15分。自由が丘じゃ間に合わないよ」
礼司は国道15号線を田町に向って走った。すると、魔美が礼司をたたきながら言った。
「どこへ行くの方向が逆だよ」
「大丈夫だ」
礼司が操る車は三田駅の先を左に曲がり、東京タワーの下を左に曲がった。
「どこへ行くの?」
「六本木」
「えっ?」
「彼女は六本木にいる」
礼司はさっき真奈を乗せた時の話し始めた。
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目黒の大鳥神社を右に曲がって目黒通りに入ると、意外に元気な真奈に礼司は話しかけた。
「仁さんとはお付き合いは長かったんですか」
「1年くらいかな、それに付き合っていなかったし」
「そうなんですか」
「ええ。仁のお父さんが商社の取締役だから就職のコネにいいかなと思って」
「なるほど、それで就職は」
「うん、たぶん大丈夫。おじ様が推薦状書いてくれたから」
「あ、はい」
礼司はあきれ返った。
「送ってもらって助かったわ、今夜六本木でニューイヤーパーティがあるの。お清め」
今の若い女性はそんなものか。礼司は口を曲げて笑った。
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礼司は運転しながら、あきれた顔で魔美に言った。
「というわけだ」
「あはは、それで六本木のどこ?」
「あはは、聞いていない」
「いくらナイルでも無理だよ」
外苑東通りを六本木交差点へ向かっている中、礼司は霊気のような何かを感じた。
「魔美何か感じないか?」
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