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『秘匿された術』と『神の隠れ家』
どちらも隠蔽に使用される古代魔術だ。
だが今回は『秘匿された術』に『神の隠れ家』の効果を付与している状態だ。
『秘匿された術』の効力は気配の消失、存在の隠蔽の二つ。
探知専門の怪奇や魔術師、よほど勘の良い人間でなければ気づかない程に、その存在を隠す。
だが今回はそれに『神の隠れ家』の追加効果。
『神の隠れ家』の効果は一定範囲内の神域化と同じく存在の隠蔽。目の前にある結界の中はおそらく神の領域と化している。
とは言ってもこれ自体は別に大した事は無い。
世界中のあちこちで神々がこの術で自らの居場所を作って暮らしている。怪奇の側からしたら比較的知名度の高い魔術だ。ちなみに用途は主に浮気だったりする。
【俺】は両方知っている。だが同時にそれらを統合させるのが無理だと知っていた。
似たような系統の二つの術は構造に致命的な違いがある。
だが今回は見事にそれを成し遂げいる。
完全な統合ではなく付与と言う形にしたのが良かったのだろう。二つの古代魔術、その間に付与効果を与える術を緩衝材にする事で両者の効果を同時に発動した。
術自体の構成は“怪奇”の仕業だが、それを同時に発動させたのは“常識外れ”だろう。
(だが他にも細かい術式がいくつか仕込んであるな)
【俺】はその場にドカッと座り込んで術の解析を始めた。
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