オパーサの浜 はるか時の呼び声

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ふぅ…やっと終わったよ…早くレナにウロコを渡そう。     『レナ!お待たせ!』   『セルジュ!どうだった?』   『ほら、ちゃんと3枚。これでネックレス作れるだろ?』   『ありがとうセルジュ!これならいいネックレスが作れるわ!』     子どものようにはしゃぐレナを見てると…頑張ってよかったな、って思う。   …青春だ!!←     『そういえばさ、昔はよくここに遊びに来たよね』     レナが腰を下ろし、昔のことを語り出す。     『そうだね。…僕は溺れてからトラウマになって近寄らなくなったけど』   『あの時は驚いたわ。セルジュのお父さんが慌てて海に飛び込んで行って。生死をさまよってたもんね、セルジュ』   『あんまり思い出したくないなぁ…』     そう、僕は10年前…7才の時にここで溺れたんだ。なんか、呼ばれた気がして。   …耳がおかしいとか言うな!     『…セルジュ、ここでした約束…覚えてる?』     約束?…ああ、大きくなったら嫁にしてくれってやつか。     『もちろん、覚えてる』   『ホントに!?…そっかぁ、覚えててくれたんだ、あの日の約束!』   『当たり前だろ?』   『…そんな風に今日のこともさ、忘れずに…覚えてるかな?』   『ずっと覚えてるよ。そんな簡単に忘れやしないさ』   『そっか…なんか嬉しいな』     嗚呼、青春真っ盛り!←シリアス台無し     『ねぇ、セルジュ…私ね…』     《セルジュ…》     ん? 今、レナじゃない声がしなかったか?     《セルジュ…》     やっぱり… 誰だよ!僕のストーカー!?←     『セルジュ?どうしたの?』     急に黙り込んだのが不思議だったのか、レナが声をかける。   いや、そんなことよりストーカーがっ!!←   冗談言ってる間に波が押し寄せてくる。 呑まれる!と思ったら足下から光が溢れてきて…     まるで穴に落ちるように、僕の体は重力に従って落ちていった。     『セルジュ!?』     レナの叫び声を、遠くに聞きながら。     …僕は不幸な星の下に生まれたんだろうか…(泣)  
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