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美作は来る日も来る日も器を作った。
覚えるのは決して早くなかったが一度身に着けたものは確実に自分の技術にした。
「なかなかいい出来だね」
美作のつくった器を見て、師匠はコメントしてくれた。自分が上達すると師匠のコメントはより丁寧になる。
それがうれしかった。
美作は師匠から、そして世間から認められたいと思うようになっていった。
美作は陶芸にのめり込んだ。
うまくなりたい。
みんなから評価してもらいたい。師匠から誉めてもらいたい。
美作の精魂努力は目をみはるものあったが、それは以前とちがう意味になっていることを本人は自覚していなかった。
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